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友達以上、恋人未満 7
な、なんで俺の名前知ってんだ?!
普通に考えて、橘みたいに有名人なら名前だって知れ渡ってたるだろうけど……俺はいたって普通の一般人。
もしかして……俺に密かに好意をもっていて、陰ながら想ってた、とか。
そして運命の出逢い……みたいな!
くっそー!
橘よりもっと早く出会ってればなー……って、こんなこと思ってたなんて橘に知れたら殺される。
忘れよう。
そして、とりあえず落ち着こう、うん。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
「え?!……だだだ、大丈夫!で、なんで…俺の名前知ってるの?」
しどろもどろになりながら軽くテンパる俺にニコッと笑いかけると、やっぱりと言ってその子はまた笑顔になった。
笑った顔も、マジ可愛い……
「私、小宮山 鳴 っていいます。」
「こみやま……めい、ちゃん?」
「はい!……めいは鳥が鳴くの“鳴く”って字です。」
「へー珍しい字を使うんだね。」
「そうなんです。だから一回説明するとすぐに覚えられること多いです。相原くんは……渚さんって言うんですよね?」
「な、なんで俺の下の名前まで知ってるの?!」
これはマジで俺に好意を持っているとしか考えられねーじゃん!
ニヤニヤしそうになるのをぐっとこらえ、平然を装い返事を待つ。
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