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友達以上、恋人未満 8

「…………色々と相原くんのことは聞いてたんで……京太から。それで……」 はい? 今、京太って……… 俺の加速しきったテンションは一気に急降下…… これジェットコースターだったらてっぺんから一気に落ちるまさにその時だろ。 「あ、あの…もしかして……向井の彼女って小宮山さん……?」 「………はい。相原くんは京太の親友だって聞いてますし、苗字じゃなくて鳴でいいですよ?」 「………う……うん。め、鳴ちゃんが向井の彼女だったんだね……」 落胆度が思いのほかすごくて若干棒読み気味でそう言ってしまった。 なんだよ、なんだよ! 向井の彼女かよ! ちょっとでも浮かれた自分を殴りたくなったぜ…… 俺の淡い青春返せー!! 「あ、あの………」 「あ、ごめん、ごめん、何でもないっ。」 「……京太から私のこと聞いてなかったですか?」 「聞いてはいたんだけど、詳しくは聞いてなくて。クラスがほっしー…あ、星川大地と一緒ってのは聞いてるよ。」 「そうです!あと橘くんも……って、知ってますよね。だって、相原くんは橘くんとも仲がいいんですよね?京太がいつも言ってますよ?」 アイツ…… どんだけ俺のこと暴露してんだよ。 「ま、まぁね。普通だと思うけど……」 普通ってなんだよ。 相変わらずな俺の頭はほっといて、これ以上余計なこと言ったら墓穴を掘りそうだったから、必死に他の話題を探した。 そして、あの事を思い出す。

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