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友達以上、恋人未満 9
いつだったか向井と一緒に帰った時、相談されたこと。
“……彼女の様子が最近おかしい”
さすがにいきなり“向井より好きな奴出来た?”なんて聞けないから遠回しに聞いてみることにした。
「あの、さっ……ちょっと聞きたいことがあって……」
「私も、相原くんに聞きたいことがあるんです………」
すると、鳴ちゃんも俺にも聞きたいことがあると言い出した。
「あ、話してる途中だったのにすいません……」
「いいよ、先にどうぞ。鳴ちゃんの気になってたことってなに?」
「相原くんは京太の親友だからもしかしたら…って思って……」
さっきまでの屈託ない笑顔から一変、そう深刻な表情で話す鳴ちゃんの口から出てきた内容に少しだけ驚いた。
「…………初対面の相原くんにいきなりこんな事聞くのも変かもしれないですけど………京太、最近……様子がおかしくて。私といても心此処にあらずみたいなこと多くて……それで相原くん何か知ってないかな…って……」
え………デジャブ?!
俺は向井から、彼女がそんな感じだって聞かされていたから一瞬意味がわからなかった。
「あ、の………俺は、何も聞いてないんだけど…実はね、」
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