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友達以上、恋人未満 10

同じような相談を向井からされたことを告げると、彼女は少し驚いたような、でもちょっとだけ寂しそうな表情をした。 「…………京太もそんなことを。私たち、実は幼なじみで……ずっと小さい時から仲が良くて、気付いたら付き合ってたって感じなんだったんです。だから、友達の延長みたいな部分あって、今までお互いこんな風に気にするってなかったから……私も京太も戸惑ってるかもしれません。」 マジか?! 幼なじみって、向井と俺は一年ちょっとで親友とか言ってるけど、俺より全然長い付き合いなんじゃん。 しかもこんな可愛い子と幼なじみとか贅沢するぎる! 「俺、幼なじみって居ないから分かんないけど、二人でちゃんと話し合うのが一番だと思うよ?だってさ、別に鳴ちゃんに他に好きな人が出来たってわけじゃないし、向井のこと変わらず好きなんでしょ?」 「………そう…ですね。でも、私……」 「大丈夫だよ!向井だって、鳴ちゃんのこと大切に思ってるから悩んでいるわけだし。俺からもやんわりと向井に、鳴ちゃんとちゃんと話せって言っておくからさ!」 きっとこの二人は、お互いを大切に思っているからこその悩みで、今はちょっとすれ違っているだけだ。 ………だからすぐに仲直りする。 そう思ってた────

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