322 / 498
友達以上、恋人未満 22
『……私にとって京太は友達以上、恋人未満て言うのが一番当てはまる…かも。勝手だと思う、でもこれ以上は無理なの。だから………ごめんなさい…………別れたい。』
『………つまり、俺は…鳴にとって…男として意識されてないって、こと?』
『……………簡単に言うと、そう。』
『はあ?!なんだよそれ!』
『京太の為にも、私が傍にいない方がいい。京太優しすぎるから……』
『俺の為ってなんだよ!全然っ意味分かんないんだけど!!』
『きっと、わたしが言った意味が分かる日が来るよ。私は京太の一番になれなかったけど、幼なじみとしては変わらないから……それだけは忘れないで……じゃあ、先…帰るね。』
『お、おい!鳴っ!!』
…………まさかとは思ったけど、マジかよ。
鳴ちゃん、向井のことすげー心配してたのに、なんで……
階段を駆け降りてくる鳴ちゃんに気付かれないよう、身を縮め息を殺していると、俺に気付かずに横を通り過ぎて行った。
鳴ちゃん……泣いてたかも。
一瞬だったけど、俺にはそんな気がした。
「………相、原?」
そんな鳴ちゃんに気を取られていた俺は、名前を呼ばれるまで向井がすぐ背後にいたことに気付かなかった。
ともだちにシェアしよう!

