323 / 498

友達以上、恋人未満 23

「おまえ……いつから……」 「……た、たまたま向井を見つけて、後追い掛けてきたらこんな現場に出くわしたんだよ。悪いと思いつつもタイミング逃しちまって、鳴ちゃんとの会話、聞いちゃった。………ごめん。」 この状況をどう説明したらいいのか分からず、俺はそのまま馬鹿正直に言ってしまった。 「そうか。でも、なんで相原が鳴の名前知ってんだよ!」 「え?……あ、それは、」 珍しく少し声を荒げ聞くもんだから、鳴ちゃんとの経緯を説明すると、やっと理解したのかいつも通りの向井に戻った。 けど、なんか違和感を感じるような… 「そうだったんだ。じゃあ、俺たちのこと…」 「いや、俺と話した時は別れ話するような雰囲気じゃなかったよ。だから、俺も…ビックリした。」 「鳴はいつもそうなんだ。自分で色んなもん抱え込んで……ホント昔から変わんない。」 いつの間にか俺の隣にしゃがみこみ、ため息を吐き、そう独り言のように呟く姿はなんだか寂しげに見え、つい覗き込むように聞いてしまった。

ともだちにシェアしよう!