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友達以上、恋人未満 27
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「おまえ相変わらず歌下手だなぁ…」
「うるせーよ!せっかく親友がてめーの為に歌ってやってんだから心して聴きやがれ!」
駅前のカラオケBOXで男子二人で朝までコース。
店員に完全に白い目で見られた。
未成年が制服で深夜まで居座るにはちょっとマズいと思った俺たちは、一度うちに帰って私服に着替えて再度合流した。
そんな訳で俺は向井の為に、今、必死に歌ってるっつーのに、こいつときたら……歌が下手だの選曲が悪いだの失礼極まりない!
「たくっ……そんな文句言うなら帰るぞ?!」
「ごめん、ごめん、悪気はないんだ。なんか懐かしくってつい……」
「懐かしい?」
「前はよく、相原が失恋する度に傷心カラオケ一緒に行っただろ?でも、おまえ最近はずっと生徒会長と一緒だし、カラオケなんて行く暇なかったから……」
まぁ、確かにここ数ヶ月はそうだったけど。
「う、うん……まぁ。でもそんな懐かしむほどじゃねーじゃん?」
「でも、…………嬉しい。やっぱり、俺────」
懐かしいと、嬉しいと、しきにり話す向井。
そんな向井が話していると、話の途中で次の曲が始まってしまい、最後何を言ったのか俺の耳に届くことはなかった……そんなことに俺が気に止めるわけもなく、結局そのまま聞き返しもせず忘れてしまった。
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