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友達以上、恋人未満 33
「恋人いるって、なんで知ってんの?もしかして違うかもしれねーじゃん。友達とか、あっ身内の誰かとか。」
「…………いや、あれは恋人だよ。相手の名前呼んで、好き……って言って、た。」
マジかよ。
「そりゃ決定的だな……つか、向井もそんな場面によく出くわしたな?」
「は?!……あぁ、あの…偶然、校舎裏で出くわしてさっ。」
急に慌てたように俺から視線を泳がし、そうそうと話を反らし飲み物なんかが載ってるメニューを開きだす。
それは明らかに不自然な行動だったのに、俺はその時は向井の好きな子とやらに興味津々でそれ程気にも止めていなかった。
「へ~。って、ことは向井のその好きな子ってのはうちの学校の子か。あ、まさか…先生とか?禁断の恋とか!?」
うわっ、禁断とか…あいつらのことみたいじゃねーか。
つか、いい加減忘れろよ…俺。
「バーカ。なんで先生とか出てくんだよ、飛躍しすぎ。」
「あ、そう…だよな…みんながみんな禁断の恋とかしねーよな……」
「何?おまえ、昼ドラみてーな、“生徒と教師の禁断の恋”とか憧れてんの?」
「ち、ちっげーよっ!!」
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