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友達以上、恋人未満 34
俺にはあんなスリリングな恋愛は無理!
いやいや、その話じゃなくて!
俺は向井の好きな子を知りたかっただけなのに、話がとんでもない方向へ流れちまったじゃねーか。
いや、流したの俺か……
「とにかくさー、そんなに好きならとりあえず告白しろよ。うじうじ片想いしてるよりかは当たって砕けた方が次に行けるって。」
向井が鳴ちゃんとしか付き合ったことないってことは、恋愛経験は俺のが豊富だ。
だったらってことで、俺は調子に乗って色々とアドバイスしてやろうって思った。
「あのなぁ…そう簡単に言うなよ。つか、断られるの分かっててコクらねーだろ、普通。」
「おまえ、ちっちぇなぁ~。男は当たって砕けろだっつーの!ほら、俺がその子だと思って告白してみろ!こう見えて俺、結構告白してるからアドバイスしてやるっ!」
ほらっ…と、持っていたメニューを取り上げ俺の方へと向井を向かせると、なんとも複雑な顔をしていた。
「…………おまえ、マジで…言ってんの?」
「当たり前じゃん。別に気にすることねーよ。それに、個室だし誰にも聞かれたりしねーから恥ずかしがらなくても大丈夫!」
俺は、ただ力になりたくて、だから……
純粋にそれだけだった
ただそれだけだったんだ────
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