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友達以上、恋人未満 36
「俺………最初は、必死で自分の気持ちに気付かないフリしてた。でも、いつの頃からか気付くといつもおまえのことばかり考えていて……この感情は“好き”ってことなのかなって…」
肩に置いた両手は相変わらず震えていて、マジ告白にちょっとびっくりしてきた。
「………だから、もう…手遅れなんだ。認めてしまったらどうしようもないくらい……おまえの事が……好きだったみたいで……たとえ、おまえに恋人が居てもこの気持ちは止まらない………相原……」
「ええ?!」
急に名前を呼ばれたもんだからとっさに目を開けてしまうと、今にも泣き出しそうな苦しそうな切ない顔の向井がいた。
そして、俺の目を見据えて……
「────相原、好きだよ。」
その声は…静かに、切なく、いつの間にか静かになった室内に響いた。
錯覚を起こしそうなほどの告白に俺がびっくりしていると、今度はそんな俺に向井の顔が迫ってくる。
え……ちょっと待て……
「ちょっ!!ストップ!!」
迫りくる向井の顔を手のひらで封じ、必死に待ったをかけた。
だって、顔がマジだったし、いくらなんでもキスなんて予定外だっつーの!
すると、そのまま俺を押し倒すとまた無理矢理顔を近付けてくる。
「む、むかいっ!!練習でそこまでしなくていいから!ちょっと待てよ!」
顔の熱が異常に上がる気がして、俺は焦っていた。
練習とはいえ、こいつにこんなオスな一面を見たのはあの日以来だ。
いや、あの日以上かもしれない。
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