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第12章 4度目の正直 1
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マジ告白宣言をした向井はあれからひたすら歌いまくり、予定通り朝方うちに帰ってきた。
そして泥のように眠りに落ち、なんとか目を覚まし夕方前には学校に到着。
別れ際、あいつも夕方前には学校に行くと言ってたけど、ちゃんと来たのだろうか。
とりあえず俺は自分のクラスには向かわず本部に向かうことにした。
*
本部となっている生徒会室のドアをガラリと開けると、望月が窓際で煙草をふかしているのが視界に入る。
「…………あ……」
「重役出勤とはいいご身分だなぁ。文化祭をダシに女子でもお持ち帰りしたか?」
「そんな……しませんよ。先生じゃあるまいし……」
「あっそ。今、星川が見回りしてる…もうじき戻ってくるはずだから、そしたら渚が見回りと後片付けと戸締まりだからな。」
望月の口からほっしーの名前が出て一気に昨日のことがフラッシュバックした。
「渚、どうした?熱でもあるのか?なんか…顔───」
吸いかけの煙草を携帯灰皿へと揉み消し、いつの間にか俺の目の前まで来たかと思うと、ニヤニヤしながら覗き込まれた。
「いや、別になんでもねーし!あ、あの……」
至近距離に迫った望月からは、今吸っていた煙草の匂いがする。
「………エロい顔…してると襲うぞ?」
ほっしーがいるのにこいつはどうしていつもこんななんだよ。
ほっしーと二人きりの時はあんなしおらしかったのに。
「先生………」
────恋人に悪いと思わないんですか?
思わずそう口にしそうになった一歩手前で、ガラリとドアが開いた。
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