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4度目の正直 2
「あ、相原くん。昨日大丈夫だった?」
ヤバい……
このメンツ…今の俺にはキツすぎる。
「あ、うううん……大丈夫!あの後すぐ帰ったし!」
「そっか、よかった。様子が少し変だったから心配だったんだ。」
「う、うん…心配かけて、ごめん。」
ほっしーの顔がまともに見れない。
つか、俺がなんでこんなに恥ずかしいんだ。
「……相原くん?顔、赤いけど…どうかしたの?」
「ほら、やっぱり夜更かししてっからだよ。」
望月が勝手に話を進めるもんだから、違うと言うつもりで口を開こうとした時、ひんやりと額に何かが触れた。
「ちょっと熱いよ?やっぱり熱……」
「いや、ない!だ、だだだいじょーぶだから!俺、見回り行って来るから、二人はごゆっくり!!」
額に触れられたほっしーの手をやんわりと払い、俺は逃げるように部屋を後にした。
はぁ……無理だ。
無駄にドキドキする。
後ろ手にドアを閉め、ゆっくりと深いため息を吐きながら気持ちを落ち着かせる。
ほっしー……微かだけど望月と同じ煙草の匂いがしたな……
頭の中でイコールで結びつく二人の仲。
昨日……エッチ、したんだろうな……
うわわわー!!
馬鹿か、俺は!
なんでもかんでもそっちに意識を持っていくとか、マジ欲求不満みてーじゃん。
平気だと頭で思ってはいたけれど、それ以上に俺は寂しいのだろうか。
「橘……
何してんだろ……」
そして、誰もいない廊下に響いた俺の声は、
ありえないくらいか細いものだった……
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