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4度目の正直 4

「花火…大会?」 「そう!これ行こうぜ?」 「へぇ~向井って案外ロマンチスト?花火とか好きなんだ~」 「い、いいじゃねーかよ!」 ムキになってる姿がなんかおかしくて、ついついからかってしまったけど、どうせなら向井が片想いしてる女の子誘った方がいいんではなかろうか… 「ごめん、ごめん、そんな冗談だから。つか、どうせなら例の片想いの子誘ってみたらいいんじゃね?」 色々あったあの日、マジ告白宣言をした割りに、その後その話題を口にすると話をそらされてばっかだった。 だから今回もはぐらかせられるのかな…って思っていた矢先、 「う、うん。だから…一緒に来て欲しいんだよ。」 その日、告白するから俺もついてきて欲しいと話は続けられた。 「そっか、そんなことならついて行ってやるよ!」 「あ、ありがとう。」 「で?土曜日って何日だ?」 「え?あ、えっと…6日、かな。」 「ふーん、6日か…え?!6日?」 「ダメだった?」 ダメじゃないけど、その次の日って…… 「いや、大丈夫だよ。」 ……だからってなんだよ。 別に何があるわけでもねーし。 とりあえず、今は親友を優先させたい。 そんな思いで、俺はもう一度、なんでもないと頷いた。

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