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4度目の正直 6

「あの、ちょっとお伝えしたいことがございまして…少々お時間いただきたいのですが……ご友人の方がご一緒なのでご都合がよろしくなければ……」 「いやっ、今で大丈夫です。こいつは別にほっといていいんで。向井、悪いけど先に帰ってくれる?」 「おい、なんだよそれ!」 訳が分からない上に、蔑ろにされて機嫌が途端に悪くなった向井。 でも、廣瀬さんがわざわざ学校まで俺に会いにくるなんて橘絡みのことに決まってる。 だから、向井には悪いけどなんとか宥めて先に帰ってもらった。 「あの……俺に伝えたいことって……」 「ここでは何ですので、車の中へどうぞ。」 廣瀬さんが後部座席のドアを開けてくれ中へ乗り込むと、あの日と変わらない車内が広がっていて…ちょっとだけ胸がきゅんとした。 「お家までお送りいたしますので……」 「あれ?廣瀬さんが運転じゃないの?」 気付いたら俺の隣へ廣瀬さんがいつの間にか座っていて、運転席には知らない男の人が。 「申し訳ございません…今日はうちの運転手が運転させていただきます。」 「いやっ全然っ、かえってすいません送ってもらって。で、話…って……」 「はい、優人坊っちゃんのことなんですが……」 やっぱり…だよな。 それに、なんかイヤな予感もする。 「橘がどうかしたんですか?」

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