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4度目の正直 14
「相原?」
「………ん?」
「こっち、座ろうぜ?」
なんとなく鳴ちゃんの話は遮断され、繋いだままだった手を引っ張られた。
そして、比較的綺麗そうな草の上に俺たちは腰を下ろす。
「ほら、食べたかったフランクフルト。」
「………あ、うん。ありがと。つか、お金……」
繋いだ手を自分から離し財布を取り出そうとしたら、金はいいからと断られ、結局俺は奢ってもらうことにした。
「………冷めちゃったな、これ。」
「いや、大丈夫だよ。」
夕暮れの森の中、あまりにも静かすぎるこの空間が、なんか妙に緊張するっつーか。
別にいつも通りでいいのに、結局何を話したらいいか話題が見当たらない。
そうして、フランクフルトを半分くらいまで食ったあたりでなんだか視線を感じた。
「なに見てんの?」
「いや、旨そうに食うなぁ…と思って。」
「べ、別に……ふつーだしっ。」
「おまえ、イベントで出店とかあると大体棒に付いてる食い物食ってるよな、フランクフルトもそうだけどアメリカンドックとか。ほら…文化祭の時も食ってたし。」
文化祭……
あの時も確かにアメリカンドック食ってたな。
しかも向井にケチャップ、口に付いたの指先で拭われたし………
「……………。」
やべー
なんか、変なこと思い出しちまった。
あの時の向井、変に色気があったんだよなぁ……
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