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4度目の正直 17
一際大きな花火がズドッーンと上がって、パーと夜空が明るくなる。
俺の方を向いた向井の顔も一緒に照らされて、一瞬だったけど今まで見たことないくらいマジな顔をしてた。
何なんだ?
………この空気
無駄にドクドクとジュースを一気飲みしてたらその缶を取り上げられた。
そして次に聞こえてきた声に耳をうたがった……
「相原………俺じゃダメか?」
「へ?!な……に、が?」
「俺がおまえを守りたい……親友としてじゃ、なく……」
「む、むか…い?……どどどうしたんだよ?!」
わけがわからない。
守るとか、親友としてじゃなくとか、
まるで……
「ま、まさか……」
「俺、相原のこと…恋愛対象として好きなんだ。親友としておまえの隣に居るより……俺、恋人として隣にいたい。」
ちょっと待て……
頭ん中がぐちゃぐちゃでこの状況が全く理解出来ねぇ。
「ちょっ…ちょっとストップ!向井の好きな子って…俺ってこと?」
「そう。」
あぁ、そうか。とりあえず一個理解した。
いやいや、納得してる場合じゃねーし!
頭がぐちゃぐちゃの次はなんかふわふわしてきて全く頭が働かない。
落ち着け……落ち着いて一個ずつ片付けていこう……えっと、次は……
「あの…俺男だし、あっ、そうだ。だって、好きな子彼氏居るって言ってじゃん。辻褄合わなくね?!」
「相原の恋人ってあの生徒会長だろ?男が男を好きになることだってあるなら辻褄合うじゃん。」
「なっ?!」
何で知ってんだ。
いつかは言わなきゃと思いつつ打ち明けてはなかったはずなのに。
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