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パンドラの箱 15
そこには、
────俺の寂しさを和らげるであろう意外なアイテムが置いてあった。
「……………は、こ…?」
テーブルのど真ん中に置かれていたのは小さな木製の箱。
…………なんの箱?開けろってことなのか?
まるで謎解きゲームみたいだ。
テーブル上には箱以外何も置いてなくて、明らかに開けろと言わんばかりにそれだけが置いてある。
部屋中を見渡しても他に変わったとこもないし、変わったことと言えばその箱がそこにあることだけ。
勝手に人の物をいじるのもいやだけど、なんとなくこの中に何かがある気がして────気付いた時には、箱を手に取っていた。
木製だけにある程度の重さはある。
だけど、中に何かが入っているような重さではないだけに、本当に勝手に開けていいものか……念のため耳元に近付け振ってみたけど何の音もしなかった。
………とにかく開けてみるしかねーな。
そして、ゆっくりと箱を開けると────
「これっ………て…」
開けると同時に鳴り出したオルゴールの音。
そして、中に入っていたのは4つ折りにした小さな紙。
無造作に折られた紙だけがそこに。
開けて……いいのかな……
何かに導かれるようにその紙を手に取り、ゆっくりと開いた。
そして、開いた瞬間、
「…………ッ……たち…ばな…」
全身から力が抜けたみたいな感覚に陥り、俺はその場に座り込んでしまった。
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