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パンドラの箱 18
「これ……あの曲だ。」
さっきは動揺し過ぎて分からなかったオルゴールの曲は、偶然にも俺が大好きな曲───“星に願いを”だった。
当時まだ小学生だった俺はこの曲をテレビか何かで一度聴いただけで一瞬で好きになってしまった。
もともとは英語の歌詞で何て言ってるかなんてわかんなかったけど、それでも当時の俺はお気に入りでよく適当な英語で歌ってた。
その後、中学に上がってから英語の授業の課題で、たまたまこの曲を訳す機会があって初めて歌詞の意味を知った。
────心の底から願えば 全ての願いはきっと貴方に舞い降りる
そんな強く前向きな曲。
星に願いをかけるとか、離れ離れの俺たちにまさにぴったりというか……
だからこの曲を選んだとかその辺は不明だけど、偶然にも俺が大好き曲で……なんだかそれだけでも近くに居るような気がして嬉しかった。
だけど……
葛藤する俺の心。
声が聞きたい、話したい。
だけど、それ以上に……恐い。
この番号に掛ければ望んでいることが叶うはずなのに、いざ目の前にすると一歩が踏み出せない。
手が震える。
心が苦しい。
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