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パンドラの箱 23

『はぁ?!ふざけんなよ!自分ちに入れねーとかあり得ねーだろ!渚っ!とっととドア開けろっ!』 「無理……。俺の話し終わったら…今日は実家に帰って。」 『おまえバカか?!おとなしく実家帰るバカどこにいるんだよっ!!』 まぁ、そう言うとは思ってたけど。 でも、本当に今は橘の顔見たくない。 こうでもしないと俺は…自分を許せないんだ。 だから、 「…………本当に…今は……」 『……あーもうっ分かった。とりあえずこのまま話し聞くから。』 「………うん、ごめん。」 何とか話しを聞いてくれる体制になったとこで、俺は静かに腰を上げるとゆっくりと玄関へと歩いて行き、玄関に腰を下ろす。 ドア一枚隔てた近くて遠い二人の距離。 ……この距離が今の俺たちの気持ちみたいに思えてくる。 『………で、話ってなんだよ。これでくだらないことだったらドア蹴破るからな!』 くだらない……そうかもな。 おまえにとってはくだらないことかもしれない。 「あのさ……今朝おまえが向井と話した時に色々…聞いたろ?俺、橘のこと裏切って浮気みたいなことしちまったんだ…だから…」 『だから……なんだよ。』 「俺、おまえの恋人として…許されないこと…しちまったと思ってる。だから………俺たち…」

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