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パンドラの箱 24
『そんなことだろうと思った。渚、念のために聞くけど、まさか別れたいとか言い出すつもりじゃねーよな?』
相変わらず全てお見通しってことか。
そして、完璧なまでに俺の心を見透かし問いかける橘の言葉に俺の気持ちはざわつく。
「………………。」
“その通り”だと言えば済むことなのに、いざ口にしようとすると言葉が出ない。
罪悪感の重みに耐えられない俺が出した答えが橘との別れだと言うのに、俺はつくづくヘタレだ。
好きだから別れたくないけど、想われる資格がないくらいのことをしたのも事実で、こんなに誰かを好きになったのが初めてだからこんな形でしか対処法を見出だせなかったってのに。
『……………おまえ、向井とのことは同意の上でだったのか?』
「え……?」
『今までの話しを聞いてると、向井と同意の上でしちまったから罪悪感から別れたいって……』
「ちっ違うっ!!そんなわけねーだろ!!俺は……そんなこと………」
そんなことないけど、寂しくて向井の優しさに甘えてたことは認めざるおえない。それに媚薬飲まされる前は流されそうになったし。
だから、絶対…とは言い切れない。
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