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パンドラの箱 25
『なら、何故そこまでの結論に行き着く。』
「それは……」
淡々と落ち着いているようで、でも怒っているような、呆れているような…そんな口調で橘は静かに俺に問いかける。
『数ある選択肢の中から何で別れるって選択をしたんだ。』
「…………分かっ…た…て…」
『は?』
「朝の電話で…おまえが…“分かった”って言ったので…俺……」
それで俺は、愛想尽かされたって思った。
それにその一言で自分のしでかしたことの重大さに気付いて、俺は負の感情に支配されていったんだ。
一度下降し出したらあとは落ちる一方で、そんな俺が出した答えが“別れ”だった。
『オレが言った一言でおまえはもうダメだって思ったってことか。で、罪悪感から別れようとした……だろ?』
「…………う、うん。」
『おまえって相変わらず単純だな。』
「う、うっせー!だって、あんな風に分かったって言われたら誰だってそう思うだろ。」
ましてやそう言う浮気とか裏切りとか一番嫌いそうな橘だから尚更。
『だったらさ、聞くけど、何で今此処にオレが居ると思う?好きでもねー奴の為にこんなことしねーだろ、普通。愛想つかしてたら今、こうして必死になってないだろ!』
「必死……なの?」
「当たり前だろっ!!!」
まだ、必死になってくれるのか……
そんな些細なことにも安堵して嬉しさがこみ上げてくる。
けど…………
「でも…………怒ってるだろ?」
それでもこいつは少なからず怒っているはずだ。
無意識に携帯を持つに力が入る。
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