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パンドラの箱 37
そして、
俺たちは約3ヶ月ぶりに口づけを交わす────
「……………んッ……んッ……ふッ」
「今日は敏感だな…」
「ちがっ……んッ…」
チュッチュッとついばむようなもどかしい口づけだけでも敏感に反応する身体。
敏感なのは久しぶりだから。
…いや、違う。
久しぶりだと言うのも理由の一つ。
だけど、
「おまっ……ッ…たちばな…だから」
橘だから、敏感になるし気持ちよくなるんだ。
咄嗟に名前に差し替えて口にしたことさえ、こいつにはお見通しなのか意地悪い返事が返ってくる。
「模範解答だな。」
「え?」
「オレを歓ばす最上級の常套句だってこと。」
「じょ…う…なにそれ?」
「まぁ、いいよ。簡単に言うと、オレをまた夢中にさせるような答えを選んだなってこと。」
「意味不明」
それ以上意味を教えてくれない橘の態度に、口を尖らせて拗ねた素振りを見せると、チュッと素早くまたキスされた。
さっきから軽いフレンチキスばっかりで物足りなさを感じてしまった俺は、簡単に離れていったその唇を無意識に目で追ってしまう。
「なに。足りない?」
「……え?!」
「渚、今すげーエロい顔してた。もっとして欲しそーな……」
「ちがっ……ッ…んんッ」
物足りなさを感じていたのは確かだけど、そんな素直に“そうだよ”なんて言えるわけもないから、違うと口にしようとしたけど、する前に再び唇を塞がれて言葉にすることを許されなかった。
そしてさっきより激しいキスは待ち望んでいた与えられる快感に拍車をかけ、すぐに夢中になってしまう。
キス一つで気持ちを量るなんて浅はかだで馬鹿げていると思うけど、求められることに応える度に俺の気持ちはどんどんと加速していくようだった。
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