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パンドラの箱 41
「あぁ、そうだよ。あの中の手紙を書いた時、出来ることなら渚の誕生日までには帰りたいって思った。だからあの曲にしたんだよ。それに────」
橘はそのまま耳元で囁くように言葉を続けた。
「────今日は、愛し合う織姫と彦星が天の川で再会出来る唯一の日だろ?だから、オレは今日……どうしても逢いたかったんだよ、渚に。」
耳元で艶っぽく囁く橘の声に一気に顔が熱くなる。
七夕────…だから。
そしてその艶のある声のままで、こいつはまた俺の名を呼び、欲しい言葉をくれる。
「渚………
渚のことは1日も忘れたことはなかった、
────愛しているよ。」
それは、かつて人伝で聞いた想い。
だけど今度はしっかりと本人の口から聞き届けることが出来たことがたまらなく嬉しい……
それは、
言葉にならないくらいの感情だった────
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