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海より深く 5
「ふっ、ふざけんなよっ!」
あと一歩のとこで熱が行き場をなくすことがどんだけ辛いか、知ってるくせになんなんだよ。
「あ?ふざけんな?ふざけた事したのはどこのどいつだっけ、もっと怒っていいからって言ったのどこのどいつだっけ?」
まさかとは思うけど…
「もしかして、まだ向井のこと……」
「今日だけは…我慢しようとしたんだよ。噛んで、それで許そうとした。だけど、やっぱり…ムクつくもんはムカつく。」
やっぱりな。こいつがすんなり許してくれるはずねーもんな……
つか、目が完全にいっちゃってるのは気のせいだろうか。
「あ、あの…向井のことはさっきちゃんと謝ったじゃん。それに…俺だって、」
「あぁ?」
「いや…何でもない。」
まさか媚薬のせいとはいえ、向井に触られたのを橘と勘違いして感じちゃったとか言えるはずもねーし。
「とにかく、こんな所にも痕付けるとか挑発してるとしか思えねーだろ。」
「………え」
俺の両足を持って担ぎ上げると、橘はここだと言わんばかりに太もも内側の足の付け根あたりに顔を寄せてきた。
「ちょっ…待って、何してんだよ、恥ずかしいってば!」
カエルがひっくり返ったみたいな格好で尻の穴までしっかりと晒され、しかも明るい室内だから橘にもそれはバッチリ見られてるはず。
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