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海より深く 7
すごい格好のまま、快楽への階段を一歩ずつ確実に上がっている俺。
久しぶりに会ってこんなエッチって……
向井の件がなければ今頃はきっとラブラブな時間だったはずなのに。
あ、いや、向井の件があったから帰国してきてくれたから会えたのか。
まぁ、どっちにしろ今はこいつの怒りを鎮めないことにはどうにもならない。
ヤキモチ妬きなとこは相変わらずなんだよな……
「ヤキモチじゃねーよ」
突然遮断された快感。圧迫していた舌先が出て行ったかと思うと橘の不機嫌全開の声が聞こえてきた。
俺の心の声がなんで?!
「おまえ考えだすと無意識に口に出してんの結構あるぞ。それに、“ヤキモチ”じゃない、“嫉妬”だ。」
あぁ思い出した。
気持ちが通じ合って両想いになった当初、ほっしーの言った一言に“嫉妬”した橘にトイレの個室で朝からヤりまくられたことあったっけ。
あの時もヤキモチがどうとか嫉妬がどうとか言ってたな。
まぁ、今回はあれ以上……だよな、絶対。
「ヤキモチでも嫉妬でもいいけど、お仕置きとかマジ勘弁。俺だって向井があんな強引とは思わなかったんだよ。…だから、ちゃんと話して断るし、もう許して。」
泣き落としは通用しない奴だって知ってるけど、どうしたらいいのか正直わからなくて、とりあえずひたすら謝ることにした、
……のに、
「オレの目の前で他の男の名前だすな。」
地を這うような黒い声がして、逆効果だったことに気付く。
やべっーこいつマジでヤバい……
つか、この体勢全然目の前じゃねーし!
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