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惑わすほどに 14

急に、いつも見たことない真面目な顔でそんな事を言われたもんだから、俺もどう答えていいものかわからない。 それに、その横顔はどこか寂しげに見えるのは…気のせいなんだろうか。 「渚?」 「は、はい?」 「おまえに1ついいこと教えてやる。」 「なん……ですか…?」 「────俺も渚と同じなんだよ。」 「……は?」 「正確には“同じだった”…かな。」 「あ…の……」 「昔、俺も渚みたいな恋をしたことがある。」 俺と…同じ? それって、ほっしーとのこと? いや、過去形ぽいから違う人な気がする。 それに、同じと言うことは…相手は男で金持ち…ってことになるけど。 「それって…男…同士で……金持ちだったってことですか?」 「おいおい、もうちょっと気の利いた言い方ないのかよ?」 「だって、俺と同じってそう言うことですよね?違うんですか?」 「まぁ、それはご想像におまかせしますってことで、俺が言いたいのは、男でも女でも金持ちだろうと…好きなら諦めるなってこと。」 「先生はその人とは……」 望月の意外な告白にびっくりしつつも、終わってしまたったその恋の行方が、俺は何故か気になって仕方なかった。

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