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惑わすほどに 24
なんだかよく分からない。俺が不安にならない証って……
それに、済んだって何がだ?
疑問符ばかりが俺の頭の中でぐるぐるしたけど、とりあえず橘の話に耳を傾けようとなるべく余計なことは考えないようにした。
「まず、オレが今まで海外に行っていた理由。それは、ある約束の為だ。」
「約束……?」
「そう。…将来オレが、オヤジの後を継いで社長として家業を継ぐのは避けられない。だけど、結婚も含めそれ以外の事でオレの生き方に口出ししないで欲しいってことを両親に言ったんだ。そしたら、それなりの結果を出したら約束するって言われて…」
「それなりの結果って何で」
「家業…って言っても、オヤジから教わってるのはまだちょっとだけだたから、オレが動ける範囲内でってことだけど。」
家業?!…マジかよ。
高校生でもそんなことしていいのか?
あ、バイトみたいなもんか…って、言っても規模が違いすぎるけど。
「なんか話がでかすぎてよくわかんねーけど…だから、海外に行ってたのか。つか、海外ってどこに行ってたんだよ?」
「シンガポール」
「シンガポール?!そこって…ライオンいるとこだっけ!?」
「ライオン?……あぁ、マーライオンのことか。まぁ、それはいいとして。うち、リゾートホテルの経営してんだよ。世界中にちょこちょこうちのホテルあるんだけど、シンガポールはこれからだったから。」
世界中にちょこちょこって…普通に言ってるのがすごすぎる。
金持ちは知ってたけど、予想以上で…ちょっと目眩がしてきたんだけど。
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