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惑わすほどに 27

こんなに頭がどうにかなりそうなのは久しぶりだ。 苦しくて、苦しくて、 頭では分かってるのに俺は迷ってる。 好きなだからこそ、答えが出せない。 「渚?オレはおまえを手放すつもりはない。絶対に、絶対にだ。」 「おまえはどうしてそう…いつも勝手なんだよ。」 「なぎ……さ…」 「おまえは俺の気持ちはどうだっていいのかよ!」 勝手にいなくなって、その理由が俺のためって、そんで帰ってきたら俺の気持ちなんてお構いなしにどんどん話進めて…… 「俺は……橘がどんだけ本気かなんて今だって信じられないんだよ!だってそうだろ?ずっと一緒だって言ったくせに俺を一人にして、帰ってきたと思ったら許嫁なんか出てきて…仕舞いには将来の話なんてされて…そんな簡単じゃないだろっ!」 「………ごめん。何も言わなかったのは確かにオレのエゴかもしれない。」 「俺がどんだけ……」 「分かってる。どれだけ傷付き、寂しかったか……だけど将来のために、」 「全然分かってないだろっ!!将来ってなんだよ!!俺は将来なんてどうだっていい!!おまえが毎日隣にいるだけでよかったのに…いて欲しかった時におまえは将来のために俺を一人にしたんだよっ!!」

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