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エピローグ 6
────そして、その日がついに来た。
異常に緊張する俺。
いつも通りの優人。
そんな真逆な空気漂う、控え室になってるホテルの一室。
「渚様、優人坊っちゃん…この度は…本当に、おめでとうございます。」
「あ…ありがとうございます。廣瀬さんも来てくれたんですね。」
「勿論でございますよ。大切なお二人の晴れ姿ですからね、長生きした甲斐がございました。」
「爺、縁起でもないこと言うな。」
「そうですよ、そんなこと言わないでください。」
「お二人とも、お心遣いありがとうございます。そうですね、まだまだ坊っちゃんのお世話をしなければなりませんし、これからは渚様のお世話も正式に出来ることですしね。」
「そっそんな、俺はいいんですよ、こいつで手一杯でしょうから。」
「渚、一言多い。」
「だってそうだろうよ。いくつになってもワガママなとこは相変わらずだろ。」
「てめー後で覚えとけよ。」
「うるせー!本当のこと言っただけだし!」
「お二人とも、せっかくの日なのですから喧嘩はおやめくださいね。私はお時間になりましたら再度お迎えに参りますので、それまでに仲直りしてください。では、失礼いた……」
「あっ、廣瀬さんっ!」
「……渚様、どうかなされましたか?」
「あの…廣瀬さん、これからも…よ…よろしくお願いします。」
「……はい、かしこまりました。私からも…渚様、優人坊っちゃんをこれからもよろしくお願いします。そして、どうかお幸せになってください。」
「は……はい、ありがとうございます。」
「……では、失礼いたします。」
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