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「いい子」  律が褒めてくれたことが、今は何より嬉しかった。だから、自然に笑みを浮かべると、「でも、キスはこうやるんだよ」と囁いた律に、そっと唇を塞がれる。 「っ……んぅ」  キスをされているのだと気づいた時には、(すで)に接合は深まっていて、口の中へ入り込んだ舌が、蒼生のそれを(から)めるように(うごめ)いた。   驚きに目を見開きながらも、蒼生は必死に口を開き、律の行為を受け入れる。 「うぅ……ん」  時間をかけ、角度を変えて口腔内をねぶられながら、そこから生まれるふわふわとした愉悦にのまれ、蒼生は体をくねらせた。 「ふ……うぅ」  クチュクチュという卑猥な音が内側から鼓膜を揺らす。途中、蒼生の呼吸が苦しくなるたび、律は口づけを解いてくれたが、息を整えきる前に、再び唇を塞がれた。  そうされるうち、どうしようもなく下肢が切なく疼きはじめ、蒼生は性器に手を伸ばそうとしたけれど、両手首をまとめて捕まれ頭上へ縫い止められてしまう。 「あ……あ」  ようやくキスを終えたとき、蒼生は息も絶え絶えだった。必死に酸素を取り込みながら律の顔を見上げると、「気持ちいいね」と囁いた彼に唇を指で(ぬぐ)われる。そのまま、口の中へと侵入してきた指へと舌を絡ませれば、「上手だ」と褒めてくれた律が上顎を撫でてきた。 「ふぅ……ん」 「ここ、気持ちいいよな」 (きもち……いい)  気持ちが()くてうまく理性が働かず、蒼生は無心に律の指を舐めしゃぶる。腰が拙く揺れているが、本人はそれに気づかなかった。 「あ……」  口から指が抜かれた瞬間、名残惜しげな声が漏れる。そんな蒼生を喉で笑い、律は手首を離してくれたが、「動くな」と命じられれば、性器に触れたい衝動を我慢するしかできなくなった。 「蒼生はここも綺麗だ」 「……っ、あぁっ!」  勃起している性器をやんわりと掴んだ律が、それを何度か(しご)いたところで、蒼生は呆気なく射精してしまう。開放感に呆けていると、「気持ちよかった?」の声が聞こえ、何度も頷き返した蒼生は、そのまま意識を絶とうとしたが――。 「……っ!」  萎えかけた性器を強く掴まれ、声にならない悲鳴があがった。さらに、痛みに歪んだ蒼生の頬へと触れた律は、「まだ終わってないよ」と淡々とした口調で告げてくる。  混乱し、怯えた蒼生の体は震えはじめるが、そんな様子に構うことなく、律は再び性器を緩く扱きはじめた。  *** 「っ! ……ひっ、ああっ!」  目下で悶える蒼生の姿を瞳に映し、口角を上げた律はしつこく手中の性器を弄ぶ。  快楽に弱い蒼生の体は、ドライで達するたびにピクピクと痙攣するが、意識を断つほど強い愉悦は与えないように調節していた。

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