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「……っ」
驚いたように瞳を見開く蒼生に一言、「嫌ならなんて言えばいい?」と逃げ道を与えてやる。彼を保護した経緯から、この行為に拒否反応を示すことは予測しているし、例えそうなったとしても、セーフワードさえ言えれば褒めるつもりだった。
「蒼生?」
「……大丈夫……分かってます」
再び律が名を呼べば、返ってきたのは消え入るような小さな声。促すように頬を撫でると、おずおずといった様子で律の性器へと顔を近づけ、一瞬だけ躊躇 してからその先端へと舌を這わせた。
「……ん」
鈴口辺りをチロチロと舐める蒼生の頭を撫でながら、「咥 えて」と律は命令する。すると蒼生は口を開き、従順に性器を受け入れた。
「いい子だ。蒼生が気持ちいい場所、俺ので擦 っていいよ」
「……っうぅ」
舌づかいや上顎にある性感帯は、これまでさんざん指を舐めさせて教え込んである。だから、そう告げただけで蒼生はすぐに反応し、律の性器は徐々に硬度と質量とを増していった。
「上手。もっと奥まで入れてくれる?」
「ん……ぐぅ」
返事が出来ない状況は理解しているが、蒼生が拒絶しないことはその反応から分かっている。だから、少し乱暴に頭を掴み、性器の全てを押し込むように引き寄せると、途中で嘔吐 いた蒼生の体がビクッビクッと痙攣した。
「ぐぅっ……んんっ」
「蒼生はまだイっちゃダメだよ」
咥えさせたまま立ち上がり、上顎に擦りつけるようにして腰を緩く前後させる。それと同時につま先で蒼生の股間へ触れると、予想した通りそこははっきりと勃ち上がっていた。
***
「まだ全部咥えるのは難しい……か」
「うぅっ……ヴゥッ」
口腔内を満たす性器を必死に頬張る蒼生の耳に、律の呟きが聞こえてくるが、意味まではよく理解できない。
「蒼生、こっちを見て 」
命じる声に操られ、必死に視線を上へと向けるが、涙の膜で滲んでしまい、律の表情は分からなかった。
(くるしい……けど)
呼吸を制限される苦しみは、上顎の性感帯を擦られることで生まれる愉悦に掻き消され、どうしようもなく下肢が疼く。だから蒼生は自身の性器に触れようとして手を動かすが、途中で「止まれ 」の声が響き、願いは叶えられなくなった。
「えらいな。蒼生はいい子だ」
(僕は……いい子)
動きを止めれば蕩けるような声音で褒められ、蒼生の背筋を甘い愉悦が這い上がる。
「だから、もう少し奥まで頑張ろうか」
その優しい声とは裏腹に、強い力で蒼生の頭を掴んだ律は、長大な性器で喉奥までを、容赦なく何度も押し開くように穿ってきた。
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