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プロローグ

ー天界・レイ・光皇城・盈羅の部屋 この世では、人は分かれる。 例えば、僕みたく、父親を撲滅したいとか。何で、氏名が『小嵐(こがらし)』なのか。 説明してくれれば良いものを、あの親『盈羅には、まだ、早い』と、誤魔化しやがった。 「ぬははははっ!ついに、完成した。父を、撲滅させる道具」 夜中の二時、城中に響き渡る、僕の声。 十六年間、生きてきた中で、父を撲滅出来る日が来ようとは、嬉しい限り。幼少期から、どれだけ苦労した事か。 母は…。 そんな父親を見て、呆れる程だった。 下界に、棲んでいた頃に、僕が女の子に間違われていた頃。“男の子”だと、証明しようと、ズボンを脱いだのが、始まり。 純粋だった僕は…。 普通に、一物を見せた。 母は、嘆いた。 『何で、モラルがないの』と。 それが…。 始まりだった気がする。 下界の暮らしに馴染んでいたのに、ご親戚様の言い付けで、天界に戻って来てしまった。 お覚悟で、今は光皇城にある自分の部屋に、籠り中。 何たって…。 僕、これでも龍神の血を引いている立派な神様。 誰も、知らないだけで。 ちゃんと、両親も神の血を引いている。 だけど…。 名前が長くて、下界で使っていた苗字にした。 さて、これを使って。 「父に、復讐してやる」 手にしていた道具に、遠隔センサーを付けた。 これを作るのに、何年、費やしただろう。機械の扱いは、古代書を見ながらやったけど。 実際に、動かすのは、初めてである。 こんな事、言ったら可笑しいけど…。 母の古代書って、何で、何重も楔が打たれているのだろう。 いくら、古代神の血をバリバリに、引き継いでいるからって、解くの大変だと思う。 それに…。 もう一つ、肝心な問題。 ー…どうして。 母は、父と契りを交わしたのか。 それが何よりの不思議である。 自分で言うのは可笑しいけど…。 僕、容姿は愚か、性格的には、父の遺伝ばっちり引き継いでいるよね。 段々、年齢を重ねて解った事だけど、お馬鹿遺伝子が血液に流れている証。要するに、女の子みたいだけど、性格だけは据わっていて、モラルの『モ』が、欠けている。

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