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ほろ酔いサイダー10

「おぉ、そんな風に強引に口説いてるんだ」 「女子に対して手荒なことはしねーよ」 「だったらやってみて」 「誰が男相手にするか」  宏介は俺を煽っているのか、やけに笑顔のまま俺に話し掛けている。  こんな野郎に恋愛的な意味で好意を持つなんてあり得ないと思っている。俺は断固拒否する。  宏介から離れようと壁から手を離そうと動かしたそのとき、彼の手が俺の腕を掴んでその場で固定させようとしている。ぐっと力を入れても動かない。  そんな地味な攻防をしていると、俺たちの行動に気付いた航が煽ってきた。 「ひゅーひゅー」 「煽んな! そんな気はねぇよ!」

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