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ほろ酔いサイダー12

 そう言われて俺は宏介に導かれながら、カウンター横にいる店員の近くへと行く。そこにはメニューが置かれており、俺たちは二人で眺めていた。 「んー、いっぱいあってよく分かんねーな……」 「だったら俺に任せてみない?」 「あー……。飲めるやつにしてくれんなら」 「もちろん」  すみません、と宏介が店員を呼んで注文する。今ごろになって酔いが回ってきたのか、なんだか頭が上手く働いていない気がする。宏介の注文も上手く聞き取れず、一瞬のうちに終わっていた。  後に付いていくようにテーブルへ戻ると、テーブルにあった飲食物はほとんどなくなっており、この酔っ払った集団たちは楽しそうに話していた。 「あ、急にいなくなってたけど、どうしたの?」 「向こうで新しいやつ注文していました。先輩もどうです?」 「じゃあ行ってくるよ。みんなは何がいいー?」  バラバラと注文したいものを言っていく。酔っ払ってもそこそこしっかりしている先輩は、忘れないように携帯端末でメモを取っていた。六人分の注文を確認すると、少しふらついた足取りでカウンターに向かう。

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