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ほろ酔いサイダー14
宏介は普通のビールのようなものを頼んでいたが、俺のものは黒い液体に多めの泡、炭酸のように跳ねる液体が入っていた。見ただけでは分からなかった。
「これは……」
「コークビアだよ。これならコーラの味でビールが軽減されるよ」
「ってビール縛りなのかよ」
せっかく頼んでくれたので一切口にしないのは申し訳ないと思い、乾杯とグラスを鳴らしてから少し飲んでみる。ビールの味は若干するが、コーラが上手い具合に苦手な風味を隠してくれてかなり飲みやすい。
「どう?」
「おう。これなら結構飲めるな」
「よかった」
笑顔で俺の姿を見ながら宏介が飲んでいる。
しばらくは気にしないでいたが、それでもなお視線を感じていた。俺は口を開いた。
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