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ほろ酔いサイダー16
「よかったら再来週の週末にビールのフェスがあるけど一緒に行くか?」
「あぁ、あの毎年やってるやつか。せっかくだから行ってみるか」
「了解。そしたら現地にお昼ぐらいに集合にしよう」
宏介は携帯端末を取り出し、予定の書き込みと俺への情報の送信を行っていた。しばらくすると、俺の端末も通知を告げてきた。
『ビールフェスデート、駅にお昼集合』
「おまっ……」
「俺的には二人きりで出掛けるのはデートなんだ」
「だからって巻き込むな!!」
ハハハと笑いながら俺たちは再び楽しく話していた。
会話に夢中になっていると、気付いたときには演奏が終わっており、再び喧騒に包まれていた。その一部に俺たちもなっており、酔っ払いの会話はさらに盛り上がりを増していった。
それは終電ギリギリまで行われ、お開きになったときは別れを惜しむくらいになっていったのだった。
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