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ほろ酔いサイダー23
溢れない程度の勢いで鳴らし、ゴクゴクと喉を潤していく。
オレンジの甘味が程よく広がり、飲みやすさを増してくれている。これもなかなか悪くない。
ビールの味を口の中にそのまま残しながら、ザワークラウトを口にする。シャキシャキと噛んでいくと、酸味がどんどん広がっていく。
「美味い……!!」
「いいでしょ。ビールとの相性最高なんだ」
「これならいくらでも食えそう」
「ソーセージもいいよ」
宏介はすでに一口齧っていたようだ。肉汁が皿の上に溢れ出ていてもったいないような気分になる。
俺はそれを横目に一口齧る。脂っぽいがそこまでしつこくなく、ビールを促すような味わいだ。
この組み合わせは俺の胃袋がどんどん要求してくるものだ。こんな出会いはそうそうできるものではない。
俺は無意識のうちに溜め息をついていた。
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