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ほろ酔いサイダー26

「んー。最高……」 「ほんとだね。俺、ずっと食べてみたかったんだ」 「あれ、航とかと来たことないのか?」 「あぁ。屋外だけは断固拒否って来てくれなかったんだ。こんなにあるから一人で楽しんでメニューだけ眺めてた。だから、ムール貝は今日がはじめて」 「そうか。よかったな」 「翔也、ありがと」  ニコリと満面の笑みを浮かべ、宏介はムール貝を食べる。その姿は本当に幸せそうで、見ている俺も楽しい気分にさせられてきた。  俺も再び手を伸ばし、時折ビールを飲みながら楽しんでいった。  しばらく二人で無言で黙々と食べ続け、あっという間にムール貝と俺が最初に頼んだものがなくなった。 「次、俺買ってくる」 「いってらしゃーい」  やけに上機嫌な見送りをされながら、俺は再び店の並ぶ方へと向かった。

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