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ほろ酔いサイダー27
一度空になった食器を戻し、返金してもらう。そして並んでいる店を見ながらどこで何を買おうか考える。どの店も並んでいるものは似たり寄ったりであるが、微妙に異なるところで差が出ており、そのどれもが興味をそそられる。
だが、列に並ぶ気はないので、別の並んでいない店の前で立ち止まる。この店は果物系の飲み物が多く並んでいる。
そして俺は目についたものを頼む。
「すみません、ベリーのシュパルターと牛肉の赤ワイン煮込みお願いします。あ、フォークは二つでお願いします」
「以上でよろしいでしょうか? お会計はこちらになります」
指示された金額を出し、横に捌ける。待っている間にそこそこ列ができ始め、少し驚いた。
三人くらい会計済みの列が増えたところで、ようやく俺の注文したものが出てきた。泡で盛り上がっているジョッキを零さないように慎重になりながら、宏介の待つテーブルへと戻っていく。
昼の時間もだいぶ過ぎ、人がどんどん増えているようにも感じる。それと同時に酔っ払っている人も増えている。
ざわざわとした人混みを避けながらなんとか戻ると、再び笑顔で出迎えてくれた。
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