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ほろ酔いサイダー28
「おかえりー。あ、どっちも美味しそう」
「宏介がさっきムール貝買ってきてくれたから、肉やるよ」
「あ、やったー」
早速フォークを取ると、柔らかい牛肉を頬張り、蕩けた表情で食べている。宏介の酒の摂取量が増えていき、美味しそうな表情がより増している気がする。
それでも、興味をそそられることには変わりない。俺も遅れて一つ口にする。
凝縮された旨味が噛んでいく毎に柔らかく溢れ出してくる。数回噛むと、あっという間に口の中でなくなってしまった。これはかなり美味い。
二人して争奪戦のような勢いで食べていき、ビールを一切減らさずに食べ切ってしまった。
「はあ、美味しかった。あ、ビール一口ちょうだい」
「えっ……あ、おい」
俺が一口も飲んでない状態のまま、俺から奪っていって飲んでしまった。
「うん、こっちもいいね」
「俺のだっての。宏介のもよこせ!」
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