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ほろ酔いサイダー39
それと同時に思い出すのは、今日こうして宏介と一緒に出掛けるきっかけを作ってくれた、アップルサイダー。あれがなければ、宏介と再び話すこともなかっただろう。
「ねぇ」
宏介が話し掛けてきた。優しい笑みの中には、どこか緊張感が混じっているともいえる。
「何だ?」
「また、こうして二人で飲みに行こ。それから、翔也のおすすめのお店とかも教えてよ」
「俺のおすすめかー。……うん、探しておくよ」
「あはは。今まで行ったお店じゃないんだ」
「宏介のために、しっかりお店探してやるよ。こうして落ち着いて話せる店を」
きっと時間を忘れるくらい、様々な話を続けられる自信がある。心のどこかからそんなことを思えていた。
「翔也……。俺、そんなこと言われたら毎週誘っちゃうよ?」
「毎週って。行きたいけど金がなくなる」
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