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プライステイスト14

「美味しそう……」  開けたところをそのまま閉じ、冷蔵庫の中央へと入れた。  その姿を確認したところで、コウは黒いジャケットを脱ぎながら自室へと向かっていく。  ホコリをブラシで払い、太めのハンガーに掛けて部屋の中に干しておく。ヒョウ柄のズボンも同じようにして整え、その隣に並べる。  シャツを脱ぎ、部屋着に着替えながら洗面所へと向かっていると、キッチンの方から何かを知らせる音が鳴っていた。  オーブンレンジが焼き上がった音であった。コウはちらりとそちらを眺め、タクトが何か作業をしようとしている姿を目にしてから洗面所で手を洗う。  ようやく一段落したところでタクトの元へ近付いてみると、空腹を加速させるようなにおいを放つものがそこにはあった。 「スパイス……タンドリーチキン、じゃねぇな」 「惜しい! タンドリーフィッシュでした」 「なかなか美味そうなもん作るじゃねーか。どれ……」 「だーめー。熱いしせっかくだからワインと一緒に!」

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