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秘密の味27

 反抗的な俺の態度に触発されて起き上がろうとする。だが、思うように力が入らないようで、頭を少し浮かせたところでまた寝転んでしまった。  何度もそれを繰り返していたが、結局上がらなかったので諦めてしまった。  これでようやく諦めてくれたようで、じっとして俺のことを無表情で眺めていた。 「どうしたの?」 「ウイスキーは見た目からも楽しめ。これが入ってたボトルもかなりよかっただろ?」 「う、うん……」  突然何を言い出すかと思えば、金森さんのウイスキー談義が始まった。これはもう寝て起きるまで酔ったままだろう。  ひどく酔っ払ったときは語り出す癖がある。その内容はそのときによって違うが、完全に寝落ちするまで止まらない。そして起きたらほとんど覚えていたことがないのである。  正直俺も酔って聞いている状態がほとんどなので、あまり覚えていない。 「値段なんてピンキリだけどな、高いほど美味い」 「じゃあ今日、山本さんと飲んでたのはそんな高いやつだったの?」 「値段はそこそこだけど結構貴重なやつだった。あれはお前みたいなやつでも楽しめるぞ」

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