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秘密の味42
何度目かの角を曲がると、駅が少しずつ近付いていって急に人通りが増えてきた。休日の朝というのにそこそこ人が歩いていて少々驚きだ。
夜とは違う景色に、真新しい何かを感じながら周囲を眺める。
散歩する人、朝から買い物をしている人、どこかへ出掛けようとしている人。それは様々であった。
俺たちは一体何に当てはまるのだろう、なんて考えて考えていたら、思わず笑ってしまった。
「急にどうしたんだ?」
「別に。何でもないよ。ちょっとデートみたいだなって」
「……お前の頭はどうしてすぐそうなるんだ」
はぁ、と盛大な溜め息をつかれた。
そうは言われても、楽しいとついそんな方向になっていく。そしてそれが口から出てしまう。
いつもの流れであるが、この人は毎度のように真面目に聞いてくれて毎度のように呆れてくれる。
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