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秘密の味43
反応が貰えるだけいい方なのかな。
「じゃあ今度、本当にデートしようよ。どこにする? 遊園地、公園、ショッピング、色々あるよ。あ、今日はまた寝たいから」
「それだったら俺だって、早く着替えたい」
「そうだったね、ごめん。じゃ、とっとと食べよっか」
ようやく店が見えたところで、金森さんは立ち止まってしまった。
俺は何事かと振り返ると、何かを言いたそうにしていた。
「お、俺だって、一緒にいるのが、好き、だからな!」
照れくさそうにそう一言告げると、顔を隠すようにそそくさと店の中へ入ってしまった。
一瞬驚きながら、この人の本心が聞けたことに喜びの笑みが溢れ出ている中で、俺も続いて入っていった。
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