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いつかのさけ11

「まだまだこれからだぞ。酒だっていっぱいある」 「いやー。俺あんまり日本酒詳しくないんで岡崎さんに頼りたいっすね」 「俺の好みに偏るけどいいか?」 「それ、絶対美味しいやつじゃないっすか」  二人の笑い声が同時に響く。何かが二人の笑いのツボに嵌ったようで、それはしばらく続いていた。  その様子を傍から見ていた片倉と若松。視線を合わせることなく黙々と飲み食いを続けていた。  ほとんどのものがなくなったところで、店員がやって来た。 「クエの唐揚げとあん肝とかに味噌、不動が二合です」  料理が三品、徳利、お猪口が四つを置いていく。  その間に片倉と若松は最初に頼んでいたものを自分の小皿に乗せて空にした状態で店員に渡していった。

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