164 / 214

いつかのさけ38

 そう言うと、岡崎は店員を呼んだ。  すぐにやって来ると、岡崎の注文をしっかりととっていた。 「他に何か頼むか?」 「八海山をグラスでお願いします」 「もう一つ」 「八海山のグラスをお二つですね。他にはよろしいですか?」  桂木は自分のグラスに残っている酒の量を確認する。少し物足りないが、頼んだら飲み切れるのかといったところであった。  どうしようかと悩んでいたら岡崎が先に注文していた。 「西條鶴(さいじょうつる)をグラスでお願いします」 「……あ、俺もお願いします」 「西條鶴のグラスをお二つですね。お済みの食器をお下げしますね」

ともだちにシェアしよう!