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いつかのさけ40

 適当な相槌を打ちながら、先ほど二人だけで会話していたことを再び思い出していた。  それでも、この場から動こうとしないのは、再び席を外したらもう戻ってこれない気がしたからである。  二人は大人しく微妙な空気の中残っていたのである。  しばらく手持ち無沙汰でやり取りを聞き流していると、ようやく店員が注文したものを持ってきてくれた。  若松は注文した酒に、片倉はシメのごはんに飛びついて動かしていく。  再度火を付けた鍋はすぐに沸騰し、さっとごはんが入れられる。  白をなくすように全体をほぐしながらゆっくりと火を通していく。  その光景を岡崎と桂木もすっかり見入ったようで、酒を口にしながら眺めていた。 「……あの、そんなに見られるとちょっと恥ずかしいんですけど」 「えっ、あっ、ごめんごめん。片倉は本当に上手いなーって思ったからつい」

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