167 / 214

いつかのさけ41

「俺が下っ端なんで慣れてるんで」 「そういえばいつも率先してやってもらってたな。ありがとな」 「どういたしまして、桂木さん。岡崎さん、できたんでよそいますよ」  片倉は岡崎の方に手を差し出し、器を渡してもらうよう促す。  自然と差し出された手に器を渡し、一人分を入れてもらう。  汁を吸ったごはんがどろりとしたものとなって入っていく。味噌の風味が彼を刺激し、真っ先に口にしていった。 「美味い。いい具合だ」 「それはよかったです。あ、桂木さんもどうぞ」 「おう」  次に受け取った桂木も一口入れる。岡崎と同じような反応を示し、次々と口にしていく。

ともだちにシェアしよう!