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ロマンティック・プランク2
カタカナが羅列したように書かれているそれは、酒のメニュであった。
「……柊さん、俺、あんまり酒飲まないから詳しくないんだけど」
「あれ、そうだったんだ。そういえば夜に会うのも初めてだったね。どんな感じのがいいかな?」
「うーん……。さっぱり飲みやすいやつ、かなー」
「分かったよ」
柊は杏里のためのメニューがすぐに思い浮かんだようで、静かに店員を呼んだ。
「スクリュードライバーとカンパリソーダをお願いします」
「かしこまりました。こちら、チャームでございます」
そう言って店員が差し出したのは、小皿に盛られたナッツであった。
こういったものを初めて出された杏里は、きょとんとしながらじっと眺めていた。
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